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宮苑遺跡

内容

【所在地(住所)】
大分県大分市大字宮苑
【内容】
 宮苑遺跡は賀来川の左岸の段丘上、石城川(せきじょうがわ)と由布川が合流して賀来川となり平野部に入ってすぐのところにあります。遺跡の北側に広がる丘陵を越すと机帳原(きちょうばる)・放生池(ほうじょういけ)につづいて柞原八幡宮に至ります。また、遺跡に隣接して線国画のある横穴式石室をもつ国指定史跡千代丸古墳があります。宮苑遺跡は昭和59年に圃場整備事業に伴う試掘調査で発見され、本調査の結果、掘立柱建物跡が10棟・塀・井戸・長大な溝・道路などの各種遺構がみつかり、溝の中などから出土した陶磁器その他の遺物から中世、それも13世紀の鎌倉時代の遺跡であることがわかりました。もちろん中世の建物がこれだけまとまってきちんと確認されたのは市内では初めてのことでした。見つかった遺構はそれぞれの切り合い関係と建物の配置状態から3時期に分けることが出来ます。これは建物の新築や建て替えなどが行われたことを示しており、長い間ここに人が住んでいたことがわかります。建物は主屋・倉庫・厨(くりや)(台所)・雑舎などが考えられ、池が配置されていたようです。宮苑遺跡の建物は数や全体的な配置から絵巻物にみる武士階級の居宅に近いものが考えられますが、一致しないものに倉があります。宮苑遺跡では主屋よりも大きい倉が目立っており、この大きな倉は収穫物を貯蔵するためのものと考えられます。中世の荘園には「名主(みょうしゅ)」(名田の所有者)と呼ばれる注力農民が存在するところから、本遺跡は、比較的有力な武士的性格をもった農民の居宅と考えられています。
【文化財の指定】なし
【交通アクセス】

媒体写真
管理施設/お問い合わせ先 文化財課
大分市荷揚町2番31号
TEL:097-534-6111  FAX:097-532-8102
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